すみだクリエイターズクラブ Tシャツ展2023 メンバーインタビュー

北本あゆみ(アイリン)

AiLeeN(あいりん)

職業: イラストレーター

今回は、クリクラメンバー(長谷川節子さん)とのコラボ作品ですが、提案を頂いた時の感想はどうでしたか?

テーマになっているインドは、私も旅行行こうとしていたぐらい興味を引かれる場所で、お話をいただいたとき面白いなと思いました。以前からエスニックをモチーフにイラストを描いていましたが、南米とかいろいろなところへ訪れたり、食べたことないものを食べたいという好奇心が原動力になっていると思います。また、自分のルーツが中華圏にあるのもあって、エスニックにちなんだデザインやものは身近に感じているのも理由のひとつです。
背中のデザインは、インドで日常的に市販されているスパイスのパッケージをアレンジしたのですが、全く知らないものよりは、なんとなくどこかで見たとこある、なんだったっけ?みたいな既視感を起こさせるものをベースにオリジナリティを付け加えた方がはっと目に留まりやすいんじゃないかと思い制作しました。もともとのパッケージはおじさんの顔が描かれているのですが、女性に変えてみるのも面白いんじゃないかという思いもありました。

クリクラに入るきっかけはなにでしたか?

墨田区の情報サイト『すみだノート』編集長でクリクラのメンバーでもある、刈谷さんから3年前にお誘いいただいたのが、クリクラに参加する直接的なきっかけです。墨田区で一人暮らしし始めてしばらくしてからイラストをまた描き始めたのですが、この地域の作家活動のしやすさには助けられました。あとは、下町っぽいところ、気取らないところが実家のあるまちとも重なるところがあるのと、何より川が近くにあるところですね。散歩するたびに落ち着きます。
現在は、SNSで自分の描いた絵を投稿していますが反響でいろいろな方からお声がけいただいたり、お仕事の依頼を頂くことが多いです。そのため、自分から営業や企画を持ち込むということはほぼないのですが、イラストレーターとしての最初のとっかかりが『すみだノート』でした。直接メールアドレスに連絡して、イラストを描きたいことを伝えたところ、ありがたくも話を聞いてもらえ携わることができました。
また、2021年5月に同じクリクラメンバーのウシヤマさんと、墨田区内の無印良品店内で定期的に開催されているイベント、「つながる市」の「イラスト展」に参加しました。
(当時の様子:すみだノート『無印良品 イトーヨーカドー曳舟が初の「つながる市」を開催。』

このときはスウェーデンの伝統楽器奏者の方だったり、次の回では絵ハンコ作家さんとコラボできたりと、いろいろなジャンルの方と一緒に開催したことが貴重な経験でした。私は日常での一瞬を捉えたイラストをよく描くのですが、例えば2021年の「つながる市」でマスクを着けた女性が錦糸町の通りを歩くイラスト(タイトル「錦糸町で逢いましょう」)を制作しました。今と比べるとコロナへの警戒が強かった世相がなんとなく思い出されるのではないかなと思います。

芦田航(あしだこう)

職業: ウェブクリエイター、サウンドデザイナー
勤務先: Bit Beans Inc. / BarAmbience

今回の作品について教えてください

去年もTシャツ展に参加しましたが、私自身はTシャツは一つのメッセージを訴える媒体だと捉えています。自分の態度、ステータスの表明がカジュアルな形でできるし、描かれたメッセージやロゴなど目に入った人へシンパシーやなにかしらの思いを伝えることができる、人になにかしらの主義・主張を訴求するにはものすごく有効なのではないかな、と自身の海外経験から感じています。去年は皮肉っぽく世界大戦時のイギリスのポスターをモチーフにしましたが、今年はストレートでパンクなメッセージを題材としました。

公共への意思表明にはいろいろな手段がありますが、Tシャツは好きなメッセージを入れられるし、それを着るだけで自分はこういうことを思っている、大事にしていると外に訴えることができる、世に常識と言われているイシューに対しても一瞬見た人が立ち止まって「なぜ」を問う効果があるような気がします。学生時代、京都大学の吉田寮で2年半ほど、バンド活動で出入りしていたのですが、がちんこに主張をぶつける、というよりはパンクでありつつもハッピーにという空気があり、そんな空間をいつまでも内包し続けられる地域・環境にも影響されていると思います。

クリクラで活動するモチベーションはなんでしょう?

普段は広告制作が仕事なので、そこからは少し離れた職業の関わりとは一味違う、各分野の第一人者の方々と創作ができることが嬉しいです。刺激的でいろいろなことを学べています。クリクラの活動ベースである墨田区も、外部から来た人に本当にウェルカムだなと感じます。可能性を広げる、思いもかけない掛け算的な効果をもたらしてくれるというか。
私は豊島区に住んでいるのですが、地元のまちづくりイベントにも住民代表のような役割で関わっています。一緒に暮らしやすい場所をつくることを目的にしていますし、クリクラの方向性と親和性が高い、公共・政治的なものなのかなと思っています。

ウシヤマアユミ(牛山歩)

ウシヤマアユミ

職業: イラストレーター

今回の作品について教えてください

2つ作品を出す予定ですが、ひとつは去年、ikkAさんで開催した個展で出したスカイツリーを描いたもの・もうひとつはペンギンのイラストです。今年は水族館のいきものがテーマのひとつなので、新作で制作しました。ペンギンはikkAさんのオーナーいち推しの、マゼランペンギンをモデルにしました。

クリクラで活動するモチベーションはなんでしょう?

私は生まれ育ちがすみだなのですが、クリクラを知ったのは3年前でした。ikkAさんの個展でクリクラメンバーのまいかさんと知り合い、誘われたのがきっかけです。普段はフリーランスで仕事をしているため、仲間がいるのがとても心強いなと感じています。楽しく、ゆるく、でもすみだに貢献できるのがクリクラの強みだと思っています。

つくることのモチベーションはなんでしょう?

以前は収入・仕事のためという動機が強かったのですが、今は自分の思いを発信したものづくりをしたいという思いが強いです。私の場合だと、絵を通して自分の経験したことを伝えていきたいです。
また、母や自分がガンにかかったことをきっかけに、自然治癒の力の可能性や、生きる意味など、物理的には見えない世界に興味を持つようになりました。(占い・宇宙など)自身がそういう様々な経験をしてきたことを通して、同じような思いを持つ方々が、読んで元気になれるような、共感できるような、またはこれからの子どもたちにも楽しんでもらえるような絵や本や作品作りをしていきたいと考えています。普段、見えない世界が大事だとなかなか気づくことは少ないと思いますが、これから迎える宇宙時代にその大切さを伝えていきたいです。
そしてそういう絵や本などの作品を日本中、世界に広げて、生まれ育ったすみだに恩返しできたらなと思っています。

オレンジろうそくイラ

職業: クリエイター
勤務先: 向島

今回の作品について教えてください

水族館のいきものたちがテーマの一つでもあるので、ペンギンとクラゲをモチーフにしたTシャツを制作しました。今年初めてTシャツ展に参加しますのでとても楽しみです。今までこの会場のikkAさんでキャンドルづくりのワークショップを定期的に開催していましたが、先月末に工房が移転したことに伴って終了したんですね。8年間続けていたのですが一旦区切りをつけようと心機一転、参加を決意しました。ikkAさんとはまた新たな形でのお付き合い、となります。また、先日水族館に行った際、「ポンズちゃん」という、4月生まれのペンギンが泳ぎの練習しているところを偶然見れたんですね。すごくバタバタ一生懸命泳いでて、そんな慌てなくても・・・と内心見ながらTシャツを制作していました。

クリクラで活動するモチベーションはなんでしょう?

クリクラに入るきっかけは、メンバーの一人からお誘いいただいたかなと記憶しています。入るべき!と言われてせっかくならと参加しました。何よりいろいろな人から刺激をもらえる場で、企画は可能な限り参加したいし、メンバーの方の技を背中から見て盗みつつ、自分のものとして身につけていけたらと思っています。また、今までキャンドルづくりのワークショップを続けてきて、最初どんな人が来るか不安だったんですね。でも、知人からは「自分が求めている人しか来ないんだよ」と言われ、ほんとかな?と思ってたら実際、来てくださった方は心やたたずまいがかわいい人ばかりで一緒にやっていて楽しかったです。そうして知らず知らずのうちに、来てほしい人を惹きつけていたのですね。今回、Tシャツ展に新たに挑戦で、区切りでいろいろ気持ちがふっと解放された心境ですが、もちろん今回のように違う形でikkAさんとは関係は続いていくと思っています。

岸野雄一画像

岸野 雄一(きしの ゆういち)

職業: スタディスト

今回の作品について教えてください

いずれも昨年のTシャツ展で出品したものですが、1つ目は中央に「THE ANALOG CHO」と書かれたものです。2022年に「アナログ庁」という、参加者の人にかけたいレコードを持ってきてもらい、思い思いにかけるというイベントを実施しました。墨田区内の公園や、渋谷PARCOでも開催しました。そのイベントを冠したTシャツです。2つ目は「NOMAD NIGHT」という、多国籍な人たちの表情がデザインされたものです。こちらも2022年に「無国籍音楽の夕べ Nomad Night」というDJイベントのTシャツです。隅田公園すぐの商業施設「ミズマチ」の一つであるWISE OWL HOSTELS RIVER TOKYOさんで開催しました。イベントに関わってくれたスタッフがデザインしてくれました。タイトルの「Nomad」には遊牧民という意味がありますが、地図上で引かれた国境や国籍にとらわれず、いろいろなひとが集まっている様子をイメージしました。今後もDJイベント等開催する予定なので、ぜひ着て集まってほしいな、と思っています。

場つくりとクリクラの接点はなんでしょう?

私は音楽や演劇などを通して、開催者、来場者の垣根を超えて楽しめる空間づくりをつくってきました。他のクリクラのメンバーと違い、目の前でいつでも提示できる作品ではないけど、場作り自体が、作品であると思っています。もちろん、イベントの中に加わって能動的に楽しむこともできるけど、それだけじゃなくてその場に「ただ居る」ってことも大事だと思うんですよね。いつも目的や内容が決まっていて、自然と運営側、参加側双方に「そうあるべき」フォーマットみたいなのが決まってきてしまって、合目的化になるとつまらないし、しっくり来ない人は手持無沙汰になってしまうこともある。今週末の25日の日曜日の夕方、隅田公園で「夕涼みマルシェ」というイベントを開催しますが、「好きにしていいよ」っていうのも、メッセージの一つとして伝えられたらいいなと思っています。のんびり、思うがままに過ごす日常的な風景でもあるし、「好きにしていいよ」っていうのは、最高にウェルカムな言葉だと思うんですよね。
基本、周りの動きから流されるというか、人から頼まれるままに企画・実行することが多いのですが、特に抵抗感はないです。ただ、自分発信でやりたいことが出てきたときに、納得できるような結果を出せるよう注力するバランスが難しいなと思うことがあります。最近は、自分でというよりは、相談を受けたときに、誰か最適な人につなぐことが多いです。そう繋げられるのも、墨田区そのものが、区や地域、商店をまたいだり、垣根を超えてチームワークがいいのかなと感じています。たとえば、観光客が自分のお店にランチで来た時に、「スイーツならあのお店がいいよ」とお薦めしたり。妙にライバル視せず、お互いに応援している空気があるのがいいですね。いろいろな立場の人たちを認め合っている、寛容なところがこの地域の魅力だなと思います。

佐藤孝行(さとうたかゆき)

勤務先: 株式会社ロゴ・アンド・ウェブ

今回の作品について教えてください

私はTシャツ展のポスターやDMなどのキービジュアルをデザインしました。会場がikkAさんなので、お店の背景をデザインにまず取り入れました。今になっては珍しい、歴史ある建物ですし。また、子どもや若者、外国人観光客らしき姿もいれて建物のクラシカルな姿とのコントラストを反映させる形にしました。

クリクラで活動すること、つくることへのモチベーションはなんですか?

基本、クライアントの方からご要望いただいてできることはなんでもやる「なんでも屋」ですが、Web、グラフィックなどを中心に仕事しています。先方からご相談いただき、具体的なご要望に応えるかたちです。
一方、クリクラでは普段の仕事との関わりがあるかは関係なく、やりたいことをやれる環境があるので、一個人の「作家性」が強く出ると感じてます。また、普段関わる機会が少なそうな方々と横のつながりも多くできるのが魅力だと思います。
クリクラに参加したのは、2017年7月の「銭湯バカンス2」という、銭湯を会場にしたイベントに、知り合いのWebデザイナーの方から誘われたのをきっかけです。またクリクラメンバーから、有志で活動しているバンドに誘われ、先日一緒にライブ演奏にベースとして参加したりしました。
本業のWebはどんどん新しい技術が出てきてキャッチアップが大変で、Web上の流行の変化によって自分の今まで学んできたことが無駄になることもあります。そんなとき無力さを感じてヘコむことがありますが、バンド活動のような思いもよらないことをふとしたきっかけで関われたりすると元気をもらえます。
また、本業やクリクラの活動とは関係ないのですが、以前アメリカに2年ほど住んでいたことがあり、オンライン英会話を通して英語をふたたび勉強しています。クリクラでの新しいことへのチャレンジや、英語学習など「学び」を続けることでこれからへの希望を見出せるのではないかな、と思っています。

さとうまいか

今回の作品について教えてください

今年のTシャツ展は水族館のいきものがテーマでもあるので、チンアナゴやフグのデザインのTシャツを出す予定です。私は人形雑貨をメインで作っていることもあり、本当に小さいものが好きなんです。去年までは、掌にのるぐらいの、人形が着れるようなミニミニサイズのTシャツを出していました。なぜかわからないですが、年々作るサイズが小さくなっているんです(笑)
今、3Dプリンターで小さいドールづくりに挑戦中です!

クリクラで活動すること、つくることへのモチベーションはなんですか?

もともと、クリクラ発起メンバーの1人とすみだ川ものコト市(クリクラメンバー有志で定期的に墨田区内で開催している手づくりイベント)で知り合いでした。ちょうど10年前の発足時からメンバーになっていますが、当時、coneruという雑貨店を経営していたのですが、その前後に新しいお店が次々へと開店していたり(クリクラ発足の会の会場になったikkAさんもその頃に開店されました)。地元の中小企業の社長さんが次々私と同世代の方へ代替わりが起こったり、周囲でもいろいろな変化が起きました。同時に東京スカイツリー建設中というのもあって、墨田区ごと、それぞれ何か面白いことをやりたいという動きが盛り上がっていたんじゃないかな、と振り返って思います。そうした人たちと互いに繋がりたいというみんなの熱を強く感じていました。
クリクラはみんなでつくること、何か呼び掛けたら集まって面白いことができる素敵な場所だな、と感じてます。また、私にとって自分一人ではなかなかできない稀有な経験もできました。最近ですと、クリクラを通してすみだ音楽大使に就任された指揮者佐渡裕さんの粘土作品を制作しました。普段、なかなかできない機会を頂いたなと思います。
やりたい時にやりたいこと挑戦できる場でもあり、思いがけない機会を経験できる場なんだな、と改めて実感しました。

鈴木彩子(すずきあやこ)

今回の作品について教えてください

今回のTシャツ展は水族館のいきものがテーマということなので、魚がいっぱい泳いでいる様子を描きました。水族館は子どもが生まれる前にもふらっと、仕事で嫌なことがあったときに行っていて、一人でペンギンを眺めながらビール飲んだりとエスケープできるいいところだなと思います。自分の子ども含め、来場者のお子さんたちに喜んでもらえたらいいな、と思いながら制作しました。
また、ロゴのところにラメを載せているのですが、塗っている時に飼い猫が上に乗って邪魔してきたりとハプニングもあったりしました(笑)仕事はインテリア雑貨の商品企画、テキスタイルデザイン、イラストレーターをしていますが、どうしても商売だと型に当てはめて作りがちですが、クリクラだと自分が着てみたいもの・誰かに着てもらいたいものは何か、イメージしたものを形にできるのがいいですね。Tシャツ展は今年で2回目の参加となりますが、メンバーの皆さんによる、いろいろなデザインの作品が一度にずらりと揃って壮観な様子に圧倒されます。

ものづくりへのモチベーションはなんですか?

仕事だと売れるものやデザインは何かといった、一定のパターンがあってそれに沿うことが多い反面、クリクラはそういったものは関係なく、オリジナルでつくりたいものが出せるのがいいですね。そして、つくったものを披露することでリアクションを周りのメンバーや、イベントの来場者の方などから直に頂けるのが嬉しいです。一人で最後までコツコツつくるとなると、なかなか自分の思ったような形になるようベストを尽くすことは難しいですが、他のメンバーと横のつながりができてワイワイできるところが楽しいです。
また、自分にとってクリクラは「第三の居場所」と思っています。つい、子育てをしていると仕事と家の往復になりがちですが、大事なコミュニティですし、表現の場です。売れ筋・大量生産ではない、自分がつくりたいデザインや作品がつくれる場所だと思います。個人的には、お母さんでデザイナーの方が増えてほしいです。子育ての経験・その中で感じた課題は当事者目線として具体的に形にでき、受け取り手に訴えるものが大きいからだと私自身、子育てをして感じているからです。
なかなか、自分の作品をつくる時間を確保するのは大変ですが、Tシャツ展のように〆切があるイベントがあるからこそ頑張れるのかな、と思います。これからも、目と手を大事にしながら、描きたい気持ちを大切にして活動し続けていきたいです。

關  真由美(せき まゆみ)

職業: プロダクトデザイナー
勤務先: Seki Design Lab.

今回の作品について教えてください

2つ作品を出す予定です。ひとつは、わが家で開催している「てらこや・せき」に通う子供たちが描いた魚の絵をプリントし、Tシャツに仕上げました。

もうひとつは、墨田区の福祉プロジェクト「すみのわ」が支援している、亀沢のぞみの家という福祉施設のメンバーによる「感覚刺激」のTシャツです。こちらの施設では、障がいを持った方々がスポンジやタワシなどおもしろい手触りのモノと絵の具を使って、感覚刺激というワークショップを行っています。ikkAさんの紅茶のパッケージにも使ってもらっています。今回、墨田区のTシャツプリント工場のADPさんが「感覚刺激」のワークショップの作品に興味を持ってくださり、彼らの作品を印刷したTシャツを製造してくれました。

ものづくりへのモチベーションはなんですか?

元々、家電メーカー勤務でインハウスデザイナーとして働いておりましたが、子育てと会社員の両立は難しそうだなと感じていたので、会社に勤務しながら少しずつ独立の準備をしていました。その中で「すみのわ」の活動に携わる機会をいただき、独立を決意しました。これまでも「社会課題を解決するためのデザイン」ができないか、ずっと考えてきたからです。多くの福祉作業所ではメンバーの方の自立支援の一環として、自主生産品を作って販売しますが、職員さんは福祉のプロであって、モノづくりのプロではないんですよね。だからといって、デザイナーを一人雇うというのも現実的ではない。それなら、墨田区内の複数の福祉作業所で私のようなデザイナーをシェアして活用すれば良いと思い、すみのわの活動を続けています。複数の福祉作業所の商品開発に携わることで、連合で販売会に参加したり、ポップアップを企画することもできますから。

また「あそび大学」という、墨田区内の工場で出た廃材を活用して子どもたちが自由に遊べる試みも、千葉大学の墨田サテライトキャンパスの協力を得ながら2年前から続けています。墨田区は工場が多く、商品を製造する際にでた材料の端材がたくさんあります。それを捨てるだけではもったいないし、その素材たちで思いもかけなかった面白い遊びが生まれるんですね。なかなか、公園で自由に遊べなかったり、リアルな場所で子どもが自由に遊べる環境が減りつつある中で貴重な機会だと思っていますし、これからも続けていきたいですね。

瀬知 エリカ(せち えりか)

職業: イラストレーター

作品について教えてください

今回、水族館の生きものがテーマの一つなので、金魚のTシャツを2種類作りました。
1つは、江戸時代の浮世絵師、歌川国芳の金魚を、私なりに描いていくうちに出来たキャラクター「金魚ちゃん」、もう1つは丁寧に描いた金魚がデザインされているものです。
国芳の描く金魚はふくよかでぷくぷくしていて惹かれます。金魚ちゃんもぷくぷくしています。

クリクラで活動するモチベーションはなんでしょう?

仕事以外でやりたいことができ、習い事とはまた違った要素で楽しめるところがクリクラの良いところだと思います。メンバーの皆さんの活動を見ること、話すこと、一緒に活動することで、時間的にはタイトになったとしても仕事だけしている時よりもエネルギーをいただいていると感じます。2015年、メンバーの三井千賀子さんにクリクラに誘っていただきました。メンバーの坂井直さんのお店「仕立 直や(和裁)」の二階で個展を開催したときです。
私がイラストを描き、メンバーの降旗剛さんがデザインした、猫の骸骨が三味線を弾いているロックTシャツを作りました。ありがたいことにここ数年Tシャツ展などで出展して喜んでいただいています。三味線には猫の皮が使われていることと、私が骸骨好きなこと、それらをかけ合わせてみました。私には絶対に出来ない降旗さんのかっこいいデザインと洒落た色。クリクラという場でコラボさせてもらったからこそ出来たTシャツです。
私は時代物や和物のイラストを描くことが多く、主に墨と筆で描いています。また墨絵教室の講師もしています。
これからやってみたいことは、墨絵のワークショップを開催することです。
墨汁と筆、紙があれば、気軽に描けるんですね。昔の人も描いていた墨絵をもっと身近に感じて頂けたら楽しいかなと。福祉施設のイベントなどでもやっていますが、もっといろいろなところで皆さんと墨絵の楽しさを共有できたら嬉しいです。

照喜名 悟光(てるきな さとみつ)

職業:イベント企画プロデュース, デザイナー
勤務先:都議会議員秘書

今回の作品について教えてください

今年のTシャツ展は水族館のいきものがテーマのひとつなので、マゼランペンギンをモチーフに2つ作品を出す予定です。マゼランペンギンは気性が荒い反面、愛嬌があるところが特徴というのがあり、1つはそういったやさぐれながらも愛嬌がある姿をデザインしました。かわいいペンギンの中にもやさぐれたペンギンが一匹はいるのでは?と思い、墨田区の代表でもあるお相撲と結び付けて描いてみました。もうひとつはラフな筆致で「Leave me alone」の文字をデザインしました。ペンギンは集団生活を送る習性がありますが、本当はもっと自分らしいペースで生きたい瞬間があるんじゃないかと思い、つくってみました。

クリクラで活動するモチベーションはなんでしょう?

何かクリエイティブなことがやりたい!という思いでクリクラの活動に参加したことがきっかけです。チームで、いろいろな個性を持った人達と面白いことができるのがいいところですね。今は都議会議員の秘書をしていますが、その前は4-5年ほど、広告代理店の仕事をしていました。(仕事的に関わりづらい印象を持たれることが多いのですが、ほんとはそんな堅くないキャラクターです)将来的には、クリクラの企画などのディレクションや、プロデューサーとして方向性を考えて中身に落とし込めるようになりたいな、と思っています。
今後の動きとしては2つあります。1つは7/29(土)・30(日)に錦糸公園で、アマチュアのダンサーやDJたちによる野外イベント「Sumida Block Festival」を開催します!「音楽」と「食」ですみだを元気に、をコンセプトにして企画しています。出演者は続々お知らせしますのでぜひ遊びに来てください!

https://sumidablockfes.com/

また、少し先の話ですが来年あたり、25〜30点程自分で描いた作品を個展で展示する企画を考えていて、今何点か絵を描いて準備しています。好きなDJの方をお呼びして来場者の人達とワイワイできたらなと思います。

長縄 キヌエ(ながなわ きぬえ)

職業:イラストレーター

今回の作品について教えてください

水族館のいきものたちがTシャツ展のテーマの一つでもあるので、ペンギン・金魚をそれぞれデザインしました。そして、個人的にボードゲームにはまっているのですが、今回Tシャツのペンギン・金魚が出てくるゲームの企画書とサンプルも展示する予定です。自分がプレーヤーとしてペンギンになって魚(金魚)を奪い合うゲームになっていますが、ペンギンの好きな食べ物とか性格・また金魚の特徴などを、楽しみながら学べるものになっていると思います。カードゲームのようなものになっていて、会場でも見本を置いているのでぜひ気軽に遊んでみてください!ボードゲームはもちろん楽しいのですが「知育」として学べる側面もあり、自分の子どもに与えているうちに私自身もはまっていきました。

クリクラで活動するモチベーションはなんですか?

「すみだ川ものコト市」実行委員として立ち上げ時から関わっていて、その時にクリクラメンバーから誘われたのが活動のきっかけです。実際加わったら、本当に同じ墨田区でこんなにすごい人、クリエイターがいたんだと実感しました。当時、区内の鳩の街商店街通り沿いにある鈴木荘というところで、知り合いの作家さんたちによる手作りの雑貨を販売するお店をしながら、「ふるほん日和」という古本イベントに運営側で関わっていました。運営は「甘夏書店」さん(ここの会場のikkAさんの2階・Tシャツ展が開催されている隣のスペースにある素敵な本屋さん)がお店を始められる前に、一緒に関わっていました。「ふるほん日和」が終わった後、ものコト市が始まるということでメンバーとして関わり続け今に至ります。ちなみに、甘夏書店さんはかつて同じ鈴木荘の一角でお店をされていました。これからは、子どもも大きくなったので積極的に外に出ていろいろな企画に参加してみたいです。
また、ものづくりで大事にしていることとして、見た目がいいだけでなく作り手の想いがものを通してお客さんに伝わってくれたらいいなと思っています。その時に手に取った記憶が蘇ってきたりと、単に見た目・デザインの良し悪しを超えて、その人の人生をよりよく彩ってくれるものや場所をつくりつづけたいですね。

にご蔵(小嶌志津)

にご蔵(にごぞう)

つくることへのモチベーションはなんでしょう?

ひっそりと目立たず作り続けたい、没入するところがあります。本当に集中すると電話とか一切反応できないんですよね。ただその反面、つくること自体は5,6歳の頃から好きなので、よく周りに「みてみて~」と見せびらかしたり(笑)、注目されたい想いもあります。
もともとイラストレーターになったのは偶然で、今まで内装監理、どちらかというと建築系の仕事をしていました。本のジャケ買いが好きで、イラストを描き始めました。

今回の作品について教えてください

いくつか出品しているのですが、今回のTシャツ展に限らず、そのうちの1つは飼っている/かつて飼っていた犬猫をテーマにしています。飼っている猫の一匹で保護猫の子をモデルにしていますが、今年は地の色を変える予定です。去年のTシャツ展も同じデザインで出品していたのですが、地の色も猫の色も暗めでした。けれども、だんだん接しているうちにその子と距離が近づいた感じがして、配色を変えることで関係性の変遷が伝わればいいなと思います。色でシチュエーションだったり、描かれている印象は変わると思うんですよね。

長谷川 節子(はせがわ せつこ)

今回の作品についておしえてください

Tシャツ展は2018年から参加しています。今年は新作!スパイスご飯のお友達、クリクラメンバーAiLeeN(アイリン)さんとのコラボです。インドの聖地に受け継がれる門外不出の秘ブレンド『मेरा मसाला〜私のスパイス』の BOXデザインがコンセプト 。
2人でインドご飯を食べながら、「妄想スパイス A&S.co.jp」という架空のお店を作り、アイリンさんがイラストを描いてくれました。謎の美女の手には『मेरा मसाला〜私のスパイス』、胸元には”元気の源”。貴方へのメッセージ♪

昨年は、クリクラメンバー木村吉見さん(今年のTシャツ展に参加されてます)のイラストが人気のマハトマ・ガンジーグッズで出展。歴史的に偉大な人物のガンジーですが、今の時代だからこそ、「日常にガンジーを」をコンセプトに、気負わずカジュアルに身に着けられるようなTシャツ、バッグ、雑貨を作っています。

​​引き続き、今年もインドテーマですが、私にとってインドは居心地がいい場所というか、踏み入れるやいなや、ほっとする場所なんですよね。

クリクラで活動すること、つくることへのモチベーションはなんですか?

活動に参加するきっかけは、私が好きな北斎をテーマとした展示「北斎先輩」を見に行って、のびやかで自由な、そしてクオリティの高い表現に痺れたことがきっかけです。
それぞれ本業がある中、ゆるゆると活動しながらも毎回、みなさんのアウトプットへのこだわりが強く、そんなところまで?というほど高いクオリティ。まさにクリクラのメッセージでもある「愛と品質」を体現しているなあ、と尊敬しています。
個性豊かさにも魅了されています。
これまでもイベント企画やプロデュース、製作係の立場が多かったですし、自分の思いを核にして、誰かと共に発信したい、作りたいという思いが強いのかな。
これからも、ずっと面白いことを考え続けて活動していきたいです。

長谷川めぐみ(はせがわめぐみ)

今回の作品についておしえてください

2つ出品する予定ですが、いずれも力士をデザインしています。1つは、背中に2等身ぐらいの小さいお相撲さん、正面にはポイントを小さくあしらってみました。もう1つは、お相撲の土俵の中におおざるがあり、その中にどどんと、おそば(具はえびの天ぷらと長ネギ)が入っているデザインです。
相撲に興味を持ったのは、両国に住み始めてからです。墨田区の印象って地域によって雰囲気がすごく変わるなと感じますね。近くに国技館があることも影響されて相撲が好きになり、よく観戦に行くようになりました。そうしているうちにフリーペーパーに相撲のコラム書いてる方や遠方から観戦に来ている常連さんなど、いろいろな人たちと知り合えました。

クリクラで活動すること、つくることへのモチベーションはなんですか?

クリクラに参加したのはほんの数か月前で最近なのですが、クリエイター活動としては、今回の会場のikkAさんの2階の甘夏書店さんで手作りのてぬぐいを作って販売するというイベントでした。クリクラメンバーの佐藤舞香さんにお誘いいただいたのをきっかけにクリクラのメンバーとして最近加わり、今回Tシャツ展に参加することにしました。佐藤さんとは、モノコト市(クリクラメンバー有志で定期的に墨田区内で開催しているイベント)など、以前からの知り合いでいろいろなところでお会いしていましたが、クリクラに入りたいといったことをお話ししたのはなぜか、今回初めてです。普段は、クリエイターとは無縁な仕事なのですが、何かお誘いいただいたら断らず、新しいことにも挑戦しようと思ってます。

降旗 剛(ふりはた たけし)

職業: アートディレクター/グラフィックデザイナー

今回の作品について教えてください

昨年のTシャツ展で出品したものも出しますが、今年は新たに「SUMIDA RIVER」と書かれた、ある有名な長編映画のロゴを基にデザインしたものを出します。電車の中でふっと、字面とそのデザインが合うんじゃないかと思いついて試作してみたら割としっくりきたのです。過去のクリクラの活動でも、イラストを別のメンバーが描き、タイポグラフィー(字体のデザイン)や、Tシャツなど具体的なものに絵や字を載せる場合の肉付けを普段の仕事柄もあって、コラボで担当することが多いです。

クリクラで活動するモチベーションはなんでしょう?

一人だとなかなか実現しづらいことも、クリクラとしてだと対外的に企画が通りやすかったりと、墨田区役所はじめいろいろなところからお声がけ頂ける点だと思います。
また、私はTシャツ展を立ち上げた一人でもあります。ここikkAさんで開催する以前は、東京スカイツリーの商業施設内に、墨田区地盤の名産品を展示、販売していた「すみだまち処」というスペースがあり、そこでTシャツ展を開催していました。区の特徴として昔からものづくりが盛んなまちで、多くの製造業の企業・町工場があります。そこで作られた色々なものをすみだまち処で販売していたのを見かけたのをきっかけに、クリクラでも何かできないかと思い、会場の担当者に個人的に開催できないか、持ちかけたのが始まったきっかけです。
デザイナーは、クライアントからのオーダーを受けて仕事することが多く、自分発信でつくりだすことがなかなか少なく、個人の思いを中心に発信し、創作するアーティストとの違いがあるかと思います。最近は、クリクラへ外からいろいろなご依頼をいただくことが増えており、例えば新規で、空きスペースを有効活用できないかという企画をいただくこともあります。ただ、なかなかメンバーから意見がでてこなかったりと、一から作り上げる難しさを実感しています。ある程度固まった枠組みの中でやっていくのは慣れているし得意だけれども、自分たちで一からつくっていくことはこれからの課題だと思います。その壁を突破できるかは何かコンテンツを持っているかどうかな、と台湾屋台を昨年から開催しつづけていて感じています。自分の核になるようなもの、仕事の延長線上にある可能性のようなものですね。そう言うと難しく思われるかもしれませんが、本当に小さなこと、例えば屋台でのビールを売る値段を決めることもその一つだと思います。開催する場所や想定しているお客さんなど、いろいろな要素を考慮しながら形を作り上げていく。
クリクラの期待値がかなり上がっていることを肌感覚として感じるので、今後一から作り出していくことを伸ばしていきたいと思っています。クリエイター、デザイナーとしての仕事をもっと増やしたいし、縛られずに皆で生き残ろう!と強く思って活動してます。Tシャツ展、ぜひ遊びにきて楽しんでいってください。

まつばらあつし

まつばらあつし

職業:
・お絵描き屋さん(イラストレーター)
・文字書き屋さん(ライター)
・アニメーション作家(動画作成&編集&演出)
・時々ガッコの先生 役者(テアトルアカデミー所属)

今回の作品について教えてください

水族館のいきものたちがテーマでもあるので、シンプルに線画で魚をデザインにしました。描きたいときに、描きたいものを思いつき次第描くのが基本的な姿勢です。職業としてもイラストレーターをしているのですが、10年ほどまえに描いた作品を出品する機会を頂きました。何となく仕事用の筆致のものだと堅苦しいなと思い、線画のイラストを出した記憶があります。

クリクラで活動するモチベーションはなんでしょう?

入ったきっかけははっきり覚えてないですが、5~6年以上前、ある飲み屋でクリクラのメンバーに何かのイベントのお誘いを頂いたのかなと思います。普段、仕事を個人でやっているため、いろいろな人たちと情報交換できるところがいいですし、このネット社会でボーダーレスが進んでいる中で、ローカルに場所をこだわって活動しているところが面白いなと思っています。普段アニメーションやイラストレーターなど、フリーランスでいろいろな仕事をしているため、クリクラや誰かとコラボして・・というよりは、結構自分の仕事に手一杯ということもあり、諸々の仕事を順調に続けていこうと思っています。
このTシャツ展も4回目の参加ですが、毎回バラエティあるメンバーが好きなように、思うがままに作っています。特に、こちらから来てくださった方々に何かを持って帰ってほしいとかいうよりは、本当に見たいもの、好きなものを気ままに見ていってほしいなーと思います!

村田 知理(むらた ちさと)

今回、Tシャツ展に参加しての感想

私は、参加者として初めてですがTシャツ制作ではなく、参加されているクリエイターの皆さまの紹介を書かせていただきました。会場にはポストカードの形で展示しており、QRコードでWebサイトに飛び、全文お読み頂けるようになっています。お一人ずつ、お時間頂いて今回のTシャツ展の作品についてや、クリクラで活動する中で大切にしている想いなどについてお話を伺いました。
企画したきっかけは、昨年私が来場者としてTシャツ展に行き、直接クリエイターの皆さんとお話ししながら、作品にするまでのいきさつなどいろいろ舞台裏をお伺いできたことです。たしかにかわいい・かっこいいとか、そうした直観でピンと来るものであって言葉による紹介は必要ないかもしれない。ですが、個人的にお話をお聞きできたことで更に、私はこのクリクラのTシャツとの出会いを楽しむことができたし、今こうして素敵な仲間たちと活動できています。通常、プロフィールは今までの実績を中心に記載することが多いかと思いますが、それだけでなく並んでいる作品の背景や普段の皆さんの素顔を知っていただいて、来ていただいた方にも何かしら印象に残ったり、前向きになれたらいいな、と思いました。

クリクラの活動でのモチベーションはなんですか?

2年前に地元の川崎市から墨田区へ引っ越し、会場のikkAさんからすぐのところでシェアハウス暮らしをしています。学生時代、押上や京島エリアを中心にフィールドワークでたびたび訪れていて、将来一人暮らしをするなら墨田区、とかねてから決めていました。今のシェアハウスも、同居人の一人がその授業での友人でもあり、移住先としては身近でした。北斎が生まれ生涯を過ごしたゆかりがあったり、国技館があったりと伝統文化が日本の中でも強く息づいているところではありますが、地元の方と話しているとフランクで良い意味でギャップで驚きながらも、外モノに対してウェルカムな、居心地の良さを感じていました。昨年のTシャツ展で、参加者の人たちと話すことが面白くて、でも私だけ知るのはもったいないと思っていたので、今回思い切って企画してみました。お忙しい中皆さんには時間を割いていただき、本当に感謝です。
普段はクリエイター関連でなく、事務系の会社員として働いていますが、文章を書くのが好きです。趣味だが本や映画の感想、また登山や旅行先で感じたこと、日々感じた些細なことなどをここ4年ほど、noteというブログでつづっています。言葉は諸刃の剣ということで、このネット社会ではマイナス面が多く語られがちですが、私は人を勇気づけ、元気や安らぎを与える力もあるのではないかと思っています。このクリクラには、イラストやモノ、場のデザインなど、多彩なバックグラウンドを持った方がいらっしゃいますが、本当にいろいろな企画や活動に思わぬきっかけで関わることができたりと、輪の広がりを日々感じています。これから、クリクラの活動にできるだけたくさん足を運んで、その空気感や関わっている人たちの声を聴き伝えていけたら、と思っています。

三井千賀子(みついちかこ)

職業: コピーライター クリエイティブディレクター
勤務先: 有限会社三井広告事務所

今回の作品について

30年来の友人である床屋かなぶんさんとのコラボレーション「墨田かなぶん堂」の新作を販売します。床屋かなぶんはイラストレーター。NHK教育番組の制作や作詞、糸井重里さんのほぼ日ショップTOBICHIとのコラボなどいろいろ活躍されています。Tシャツ展でご一緒させていただいているのは2019年から。最初のTシャツ展は2018年だったのですが、コピーライターなので絵は描けないと断念し、お店番をしていました。でもやっぱり参加しないとつまらなかった。その時、ふと(すみだをダジャレで紹介したいな)と思いついて、ざっくりして味わいのあるイラストを描く床屋かなぶんに声をかけました。「墨田かなぶん堂」のキャラクターは8つ。Tシャツだけでなく、絵本も制作しています。

  1. 天才絵かき「ほくサイ」
  2. おとなのあこがれ「むこうじマン」
  3. 春のうららの「すみだがワニ」
  4. 浅草とすみだをつなぐ「あずまバチ」
  5. 錦(にしき)ひらひら「きんしチョウ」
  6. 世界のりょうごく「こくぎカニ」
  7. でっかいかわいい「すもうトリ」
  8. ノッポなわたりドリ「スカイツルー」

今回はテーマが水族館なので、もともとかなぶんさんが持っていたキャラクター「ペンちゃん」が「スカイツルー」のまわりを回っているようなデザインにしました。★2023年限定のTシャツです。
*参考:「墨田かなぶん堂 プロジェクト」(有限会社 三井広告事務所HP)
https://www.mitsui-koukoku.co.jp/works/mitsui-chikako/sumida-kanabundo-project/

クリクラで活動することへのモチベーションは?

地元でクリエイターのネットワークをつくりたいというのはずっと持っていた夢でした。すみだを愛するプロのクリエイターと交流を持ちたい。そういう人が集まって何かをしたらこの街のよさをもっと発信できると。
東京スカイツリー開業の翌年である2013年の9月。三橋さん、三田さん、山木さん、角田さんと一緒に今回のTシャツ展会場である一軒家カフェikkAで、すみだクリエイターズクラブ発足会をしました。大雨にも関わらず多くの方が来てくれたのを覚えています。集まってもらった人たちには、お互いのプロフィールややってみたいことを発表してもらいましたが、その熱気に驚きました。10年経った今でもその熱量が引き継がれていることを実感します。
自分で好きになったまちを自分たちで盛り上げていく、そんなクリエイターたちの居場所であってほしいなと願っています。